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おもてなしをいただいて 

「完全予約の韓国宮廷料理のお店がある」

以前に社長の釆野が話をしているのを、食のアンテナ受信感度が高いものですから
このお店のこともしっかり受信。
京都のどこにあるのか?どんなところで、どんなお料理が?など興味を抱き、
頭の引き出しにしまっていたことも忘れかけていた頃、
社長より「今度行くけど、行くか?」とスタッフにも声をかけていただき、
「こんな機会は逃すまい!」と「帰省予定を変えてでも是非とも行きたい!」とご一緒
させていただきました。

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お家の一室で大きなテーブルを囲んでいただきます。

気になる内容は
 前菜盛合わせ:パジョン(ズッキーニやしいたけを卵液をつけて焼き上げた一品)、
           ゴボウやするめを甘辛く和えたものなど
 かぼちゃのおかゆ←おかゆと言ってもポタージュよりもさらっとしたスープ状でした。
              松の実でこくがあります。
 キムパ(韓国風のり巻)
 九節板(クジョルパン)
 肉と野菜の盛合せ←焼いたお肉をサンチェとゴマの葉で包んでいただきます。
 キムチとナムル:白菜と大根のキムチ、青菜と豆もやしと茄子のナムル
 五穀米
 わかめのスープ

宮廷料理の代表とも言われる『九節板』は餃子の皮サイズのクレープ状の生地で
様々な具材を包んでいただきます。
生地を中央に8種の具材が放射状に色とりどりに囲んで盛られていて、登場から
楽しませてくれます。
今回いただいた『九節板』の具材は、人参・キュウリ・たまご焼き・焼肉・竹の子・絹さや・
エビ・椎茸です。絹さやとエビ以外はそれぞれ下味がついてあり、いずれも大きさを
揃えて細く切ってあります。

宮廷料理は五味五色の調和とバランスを考えられているそうですが、
この『九節板』は特に色合いといい、味といい、野菜も多くてとてもバランスがとられています。

中でも「おぉ!」となったのが、生地の間にはさまれた松の実です。
生地はもちもちっとしているので一枚一枚がくっつきがちです。
そこを松の実をはさむことによって隙間をつくってはがしやすいようにする、
という心配り、素敵です。

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九節板で巻き巻き、サンチェとゴマの葉でお肉を巻き巻き、包んで食べる作業もこれまた楽しく、
この宮廷料理のお料理たちや雰囲気にふんわりと包み込まれていきました。

『完全予約』・『宮廷料理』ということで、厳かなイメージもあり少々びくついていましたが、
実際伺っての印象は、品のあって家庭的というものでした。
お料理はどれも優しい味で(宮廷料理は辛くありません。辛みのあるものでも刺激的でなく
おいしさを引き出す一つの味付けとなっています)、一つ一つ丁寧に手間暇かけて
つくられているのがじんわり感じられます。
オーナーが作陶なさっており、わかめのスープの器など食器のいくつかはオーナー作で
より一層あたたかみがあります。

オーナーの心配りが随所で感じられ、しかもそれがすっとさりげなく自然で、
『おもてなし』の勉強にもなりました。


丁寧につくること、相手のことを思って提供すること、それがいかに大事なことか、
また、お料理に限らず、仕事にしても、日常のあらゆる場面において言えることだと
改めて気付かせていただきました。


スタッフやかべ